一般貨物Q&Aその1|運送業の法律上の分類は|

 

一般貨物Q&A」は、運送業に関する様々なテーマをピックアップして、知識や情報を提供することを目的としたページです。

 

これから開業しようとお考えの方が本ページを読んで、運送業に関する知識を習得していただければ、幸いです。

 

Q1.自動車を使用する運送業には、どのような種類がありますか?

 



 

A1.自動車を使用する運送業を法律では「自動車運送事業」といいます。

 

自動車運送事業を大きくわけると、「 貨物」と「 旅客」の2種類があります。

 



 

法律では

 

「物(ぶつ)」を運ぶ自動車運送事業を「 貨物自動車運送事業」

 

「人(ひと)」を運ぶ自動車運送事業を「 旅客自動車運送事業」

 

として区別し、異なる法律で規制をしています。

 

また、貨物自動車運送事業は「  貨物自動車運送事業法 」、旅客自動車運送事業は「  道路運送法(主に第2章)」が基本法となっています。

 

 一般貨物Q&A」では、このうち「 貨物自動車運送事業」ついてご案内をして参ります。

 


運送事業に関する参考条文


 

道路運送法第2条
 
(定義)
 
この法律で「道路運送事業」とは、旅客自動車運送事業、貨物自動車運送事業及び自動車道事業をいう。
 
2 この法律で「自動車運送事業」とは、旅客自動車運送事業及び貨物自動車運送事業をいう。
 
3 この法律で「旅客自動車運送事業」とは、他人の需要に応じ、有償で、自動車を使用して旅客を運送する事業であつて、次条に掲げるものをいう。
 
4 この法律で「貨物自動車運送事業」とは、貨物自動車運送事業法による貨物自動車運送事業をいう。
 
5 この法律で「自動車道事業」とは、一般自動車道を専ら自動車の交通の用に供する事業をいう。

 


 



Q2.「貨物自動車運送事業」には、どのような種類がありますか?

 



 

A2.「軽貨物」・「一般貨物」・「特定貨物」の3種類があります。

 



 

「物(ぶつ)」を運ぶ「貨物自動車運送事業」ですが、「使用する自動車」によって2つに分類されます。

 

軽自動車・二輪自動車」を使用して運ぶ場合は、「 貨物自動車運送事業」に該当します。

 

それ以外の自動車」を使用して運ぶ場合は、「 一般貨物自動車運送事業」又は「 特定貨物自動車運送事業」のいずれかに該当します。

 

したがいまして、運送事業を開業しようと考えたときに、軽トラックやバイクを使用して運送しようとする場合は、「 貨物自動車運送事業」の開業の手続きをする、トラックやハイエースなどを使用して運送しようとする場合は、「 一般貨物(又は特定貨物)自動車運送事業」の開業の手続きをする、ということになります。

 

なお、当ホームページでは、「一般貨物自動車運送事業」のことを「一般貨物」と、「特定貨物自動車運送事業」のことを「特定貨物」と呼称させていただいております。

 

何卒、ご了承下さい。

 


貨物自動車運送事業に関する参考条文


 

Q.貨物の運送を「無償で(つまり貨物の運送の対価を受け取らずに)」行う場合は、貨物自動車運送事業に該当しないのですか?

 

貨物自動車運送事業法第2条
 
(定義)
 
この法律において「貨物自動車運送事業」とは、一般貨物自動車運送事業、特定貨物自動車運送事業及び貨物軽自動車運送事業をいう。
 
2 この法律において「一般貨物自動車運送事業」とは、他人の需要に応じ、有償で、自動車(三輪以上の軽自動車及び二輪の自動車を除く。次項及び第七項において同じ。)を使用して貨物を運送する事業であって、特定貨物自動車運送事業以外のものをいう。
 
3 この法律において「特定貨物自動車運送事業」とは、特定の者の需要に応じ、有償で、自動車を使用して貨物を運送する事業をいう。
 
4 この法律において「貨物軽自動車運送事業」とは、他人の需要に応じ、有償で、自動車(三輪以上の軽自動車及び二輪の自動車に限る。)を使用して貨物を運送する事業をいう。

 

A.貨物自動車運送事業法第2条第2項から第4項には、それぞれ「有償で」と明記されておりますので、「無償で」貨物の運送を行う場合は貨物自動車運送事業には該当しません。

 

➡Q7.運送を「無償」で行う場合でも、許可を受けなければいけませんか?

 


 



Q3.「一般貨物」と「特定貨物」の違いを教えて下さい。

 



 

A3.運送事業による「売上」が荷主1社(1人)からしかなく、かつその荷主の総輸送量の80%以上を担になう場合で、第三者が運送契約や指示に介入しない場合に限り「特定貨物」に該当し、それ以外なら一般貨物」に該当します。

 



 

次は「一般貨物」と「特定貨物」の違いについてです。

 

特定貨物」の定義は、法律上、以下のようになっています。

 


 

貨物自動車運送事業法第2条第3項

この法律において「特定貨物自動車運送事業」とは、特定の者の需要に応じ、有償で、自動車を使用して貨物を運送する事業をいう。

 


 

「特定の者の需要に応じ」とは、「運送による売上が特定の荷主1社(又は1人からしかない場合を意味します。

 

したがって、運送による売上が2社(又は2人)以上からある場合は「一般貨物」に該当します。

 

なお、運送による売上が特定の荷主1社(又は1人)からしかない場合でも、請け負う輸送量がその荷主の総輸送量の80%に達しない場合や、第三者がその荷主との運送契約や指示に介入する場合は「一般貨物」に該当します。

 


特定貨物の運送需要者に関する参考公示


 

一般貨物自動車運送事業及び特定貨物自動車運送事業の申請事案の処理方針について

 

一般貨物自動車運送事業及び特定貨物自動車運送事業の申請事案については、その迅速かつ適切な処理を図るため、審査項目及びその適合基準に関する処理方針を下記のとおり定めたので公示する。

A.許可(法第3条・第35条第1項)

許可の申請事案に対する審査は、貨物自動車運送事業法(平成元年法律第83号)第6条第1項又は同法第35条第3項に規定する許可基準に基づき、厳正かつ公平に行うが、特に次の項目については、それぞれの適合基準により審査する。
なお、審査にあたっては、事実関係を確認するための書類の提出を求めることとする。

Ⅲ.特定貨物自動車運送事業

審査項目適合基準

1.運送の需要

(1)運送需要者
①単数の者に特定され、当該荷主の総輸送量の80%以上を確保できること。
②運送契約の締結及び運送の指示を直接行ない、第三者を介入させないものであること。

11. その他

①Ⅰ-12に同じ。
特定貨物自動車運送事業の許可を取得した事業者が特定の運送需要者を新たに追加する場合は、特定貨物自動車運送事業の廃止及び一般貨物自動車運送事業の許可申請を要するものとする。

 


 

ところで、実務的な話ですが、「特定貨物」に該当する方でも「特定貨物」で許可を申請せず、「一般貨物」で許可を申請することが多いです。

 

というのは、仮に「特定の荷主1社(1人)以外」から運送の仕事の依頼が来た場合、「特定貨物」の許可を受けている運送事業者はその依頼を断らなければならないからです。

 

その依頼を受けるには、「一般貨物」の許可を受ける必要がありますが、「特定貨物」から「一般貨物」へ許可の種類を切り替える、といったような簡易な手続きは、残念なことに法律上用意されておりません。

 

結局、「特定貨物」の許可を廃止し、「一般貨物」の許可を受けるための申請手続きを改めてしなければなりません(公示の11.その他②参照。なお、この場合は例外的に、法令試験を受ける必要がありません)。

 

このようなケースでは、「一般貨物」の許可ではなく「特定貨物」の許可を受けたことで、結果として、時間、手間、お金を無駄にしてしまうことになります。

 

したがって、「特定貨物」の許可を選択することには、以上のようなデメリットがあるということは、お伝えさせていただいております。

 


 

特定貨物」には、以上のような「デメリット」になりうる要素がありますが、「一般貨物」にはない「メリット」がないわけではありません。

 

特定貨物」のメリットとしては、「一般貨物」よりも以下②~⑥のように手続の負担が軽減されている点があげられます。

 

実務上「一般貨物にはないメリット」として感じられるものとして、特には強調できるものであると考えられます。

 

は公示の改正により、令和元年11月1日から、一般貨物と同様に資金計画が問われることになりましたので、打消し線を入れました。

 

条文を確認する

①一般貨物の「許可」の要件のうち、「 資金計画」については特定貨物では問われない  

 

「特定貨物」の許可を申請する場合、「一般貨物」の許可の要件の一つである「 自己資金」については問われません。

 

このことは、特定貨物の許可の申請をするにあたり、「自己資金を用意する必要がない」こと及び「運送事業の経営を開始するために、どの程度自己資金を用意しなければならないのかを見積る必要もない」ことを意味します。

 

自己資金の要件が問われないことによって、許可の申請のハードルが相当下がるものと考えられます。

 


条文を確認する

②「運送約款」を定め、認可を受ける必要がない

 

「特定貨物」は荷主が1社(又は1名)に限定されますので、その荷主との間で締結される「貨物運送に関する請負契約」において契約内容を定めればよく、「運送約款」を別途設定する意味はありません。

 

したがって、「特定貨物」の運送事業者は、「運送約款」に関する手続きとは無縁です。

 


条文を確認する

③「運賃及び料金」や「運送約款」を営業所に掲示する必要がない

 

これも理由は②で述べたとおりです。

 

なお、「運賃及び料金」の掲示をする必要はありませんが、「運賃及び料金」に変更があった場合は一般貨物と同様に運輸支局への「変更の届出」が必要です。

 


条文を確認する

④自動車運送事業者に合併、会社分割があった場合や、自動車運送事業者が事業譲渡をする場合、「一般貨物」であれば「事前の認可」を受ける必要がある場合でも、「特定貨物」であれば「事後(30日以内)の届出」で足りる

 

合併や会社分割、事業譲渡といった事業の承継については、生涯行わない会社がほとんどですが、これらを行う場合、「一般貨物」では「事前」に「認可」を受けなければならないため、手続きが煩雑なことに加え、完了するまでに時間がかかります。

 

しかし、「特定貨物」では「事後」に「届出」をすればよいため、「一般貨物」に比べて手続きが容易で、時間もかかりません。

 


条文を確認する

⑤個人で経営している自動車運送事業者が死亡した場合で相続人が自動車運送事業を引き継ぐ場合、「一般貨物」であれば「事後の認可」を受ける必要がある場合でも、「特定貨物」であれば「事後(30日以内)の届出」で足りる

 

これも④で述べたとおりです。

 


条文を確認する

⑥事業報告書を提出する必要がないため、毎年の報告は7月10日までに提出する「事業実績報告書」のみで足りる

 

「一般貨物」の場合は、毎事業年度終了後100日以内に「事業報告書」を提出しなければならないのですが、「特定貨物」の場合は、「事業報告書」の提出が不要とされています。

 

事業報告書としては「事業概況報告書、人件費明細表、損益明細表、損益計算書、貸借対照表、注記表」といった書類を提出する必要があります。

 

運送事業「専業」の事業者であれば作成が比較的容易なのですが、「兼業」の場合は収益や費用等を事業ごとに配分する必要があり、かなりの手間がかかりますので、事業報告書の提出が義務付けられないということは、運送事業者にとってはメリットになります。

 

反対に、「特定貨物」の場合に限り必要となる手続として、「運送の需要者の氏名、名称、住所(又は法人にあっては、その代表者の氏名)に変更があった場合」は、「事後」の「届出」をする必要があります。 ➡条文を確認する

 



一般貨物に関する条文のうち、特定貨物の場合に準用される条文について


 

貨物自動車運送事業法第35条第4項~6項

(特定貨物自動車運送事業)

4 第四条第二項(第二号に係る部分に限る。)及び第三項並びに第五条の規定は、第一項の許可について準用する

5 第七条第四項の規定は同条第一項の規定による緊急調整地域の指定がある場合における第一項の許可の申請について、同条第六項の規定は当該緊急調整地域の指定がある場合における特定貨物自動車運送事業者について準用する
6 第九条、第十五条、第十六条、第十七条第一項から第四項まで、第十八条、第二十二条第二項及び第三項、第二十二条の二から第二十四条の三まで、第二十七条、第三十二条並びに第三十三条の規定は特定貨物自動車運送事業者について、第十七条第五項及び第二十二条第三項の規定は特定貨物自動車運送事業者の事業用自動車の運転者及び従業員について、同条第一項の規定は特定貨物自動車運送事業者が選任した運行管理者について、第二十九条の規定は特定貨物自動車運送事業に係る輸送の安全に関する業務について、前条の規定は特定貨物自動車運送事業者の事業用自動車について準用する。この場合において、第九条第二項中「第六条」とあるのは、「第三十五条第三項」と読み替えるものとする。

 

準用される条文と準用されない条文についてのご案内は以下のとおりです。

 

もしご興味がございましたら、ご覧ください。

 


 

以下、「 貨物自動車運送事業法 」の中で一般貨物について規定した条文のうち、

 

特定貨物に準用されないものは、打消し線を入れました。

特定貨物に準用されるものは、ピンク色の文字で記載しました。

特定貨物に準用されないものの、特定貨物の規定に同趣旨のものがあるものは、青色の文字で記載しました。

④その他、注意すべき点は、赤色の文字で記載しました。

 

なお、もともと一般貨物と特定貨物の双方に適用される条文は、打消し線を入れず、そのまま茶色の文字で記載してあります(その他、第35条は特定貨物独自の条文ですが、そのままの文字色で記載しました)。

 


 

貨物自動車運送事業法
 
(一般貨物自動車運送事業の許可)
 
第三条 一般貨物自動車運送事業を経営しようとする者は、国土交通大臣の許可を受けなければならない。
 

 
許可の申請
 
第四条 前条の許可を受けようとする者は、次に掲げる事項を記載した申請書を国土交通大臣に提出しなければならない
一 氏名又は名称及び住所並びに法人にあっては、その代表者の氏名
二 営業所の名称及び位置、事業の用に供する自動車(以下「事業用自動車」という。)の概要、特別積合せ貨物運送をするかどうかの別、貨物自動車利用運送を行うかどうかの別その他国土交通省令で定める事項に関する事業計画
 
2 前条の許可の申請をする者は、次の各号のいずれかに該当する場合にあっては、前項第二号に掲げる事項のほか、事業計画にそれぞれ当該各号に掲げる事項を併せて記載しなければならない。
一 特別積合せ貨物運送をしようとする場合 特別積合せ貨物運送に係る事業場の位置、当該事業場の積卸施設の概要、事業用自動車の運行系統及び運行回数その他国土交通省令で定める事項
二 貨物自動車利用運送を行おうとする場合 業務の範囲その他国土交通省令で定める事項
 
3 第一項の申請書には、事業用自動車の運行管理の体制その他の国土交通省令で定める事項を記載した書類を添付しなければならない。
 

 
欠格事由
 
第五条 次の各号のいずれかに該当する者は、第三条の許可を受けることができない。
一 一年以上の懲役又は禁錮の刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなった日から二年を経過しない者
二 一般貨物自動車運送事業又は特定貨物自動車運送事業の許可の取消しを受け、その取消しの日から二年を経過しない者(当該許可を取り消された者が法人である場合においては、当該取消しに係る聴聞の通知が到達した日(行政手続法(平成五年法律第八十八号)第十五条第一項の通知が到達した日(同条第三項により通知が到達したものとみなされた日を含む。)をいう。)前六十日以内にその法人の役員(いかなる名称によるかを問わず、これと同等以上の職権又は支配力を有する者を含む。第四号において同じ。)であった者で当該取消しの日から二年を経過しないものを含む。)
三 営業に関し成年者と同一の行為能力を有しない未成年者又は成年被後見人であって、その法定代理人が前二号又は次号のいずれかに該当するもの
四 法人であって、その役員のうちに前三号のいずれかに該当する者のあるもの
 



(許可の基準)

 
第六条 国土交通大臣は、第三条の許可の申請が次に掲げる基準に適合していると認めるときでなければ、同条の許可をしてはならない。
一 その事業の計画が過労運転の防止その他輸送の安全を確保するため適切なものであること。
二 前号に掲げるもののほか、その事業の遂行上適切な計画を有するものであること。
三 その事業を自ら適確に遂行するに足る能力を有するものであること。
四 特別積合せ貨物運送に係るものにあっては、事業場における必要な積卸施設の保有及び管理、事業用自動車の運転者の乗務の管理、積合せ貨物に係る紛失等の事故の防止その他特別積合せ貨物運送を安全かつ確実に実施するため特に必要となる事項に関し適切な計画を有するものであること。
 


緊急調整措置

 
第七条 国土交通大臣は、特定の地域において一般貨物自動車運送事業の供給輸送力(以下この条において単に「供給輸送力」という。)が輸送需要量に対し著しく過剰となっている場合であって、当該供給輸送力が更に増加することにより、第三条の許可を受けた者(以下「一般貨物自動車運送事業者」という。)であってその行う貨物の運送の全部又は大部分が当該特定の地域を発地又は着地とするものの相当部分について事業の継続が困難となると認めるときは、当該特定の地域を、期間を定めて緊急調整地域として指定することができる。
 
2 国土交通大臣は、特定の地域間において供給輸送力(特別積合せ貨物運送に係るものに限る。)が輸送需要量に対し著しく過剰となっている場合であって、当該供給輸送力が更に増加することにより、専ら当該特定の地域間において特別積合せ貨物運送を行っている一般貨物自動車運送事業者の相当部分について事業の継続が困難となり、かつ、当該特定の地域間における適正な特別積合せ貨物運送の実施が著しく困難となると認めるときは、当該特定の地域間を、期間を定めて緊急調整区間として指定することができる。
 
3 前二項の規定による指定は、告示によって行う。
 
4 国土交通大臣は、第一項の規定による緊急調整地域の指定がある場合において第三条の許可をするときは、当該許可に係る事業の範囲を当該緊急調整地域を発地又は着地としない貨物の運送に限定してこれをしなければならない。
 
5 国土交通大臣は、第二項の規定による緊急調整区間の指定がある場合において第三条の許可の申請に係る特別積合せ貨物運送の全部又は一部が当該緊急調整区間において行われるものであるときは、当該許可をしてはならない。
 
6 一般貨物自動車運送事業者は、第一項の規定による緊急調整地域の指定又は第二項の規定による緊急調整区間の指定がある場合には、それぞれ、当該緊急調整地域における供給輸送力又は当該緊急調整区間における特別積合せ貨物運送に係る供給輸送力を増加させるものとして国土交通省令で定める事業計画の変更をすることができない。
 



(事業計画)

 
第八条 一般貨物自動車運送事業者は、その業務を行う場合には、事業計画に定めるところに従わなければならない。
 
2 国土交通大臣は、一般貨物自動車運送事業者が前項の規定に違反していると認めるときは、当該一般貨物自動車運送事業者に対し、事業計画に従い業務を行うべきことを命ずることができる。
 

 
第九条 一般貨物自動車運送事業者は、事業計画の変更(第三項に規定するものを除く。)をしようとするときは、国土交通大臣の認可を受けなければならない。
 
 第六条第35条第3項の規定は、前項の認可について準用する。
 
3 一般貨物自動車運送事業者は、事業用自動車に関する国土交通省令で定める事業計画の変更をするときは、あらかじめその旨を、国土交通省令で定める軽微な事項に関する事業計画の変更をしたときは、遅滞なくその旨を、国土交通大臣に届け出なければならない。
 

 

(運送約款)
 
第十条 一般貨物自動車運送事業者は、運送約款を定め、国土交通大臣の認可を受けなければならない。これを変更しようとするときも、同様とする。
 
2 国土交通大臣は、前項の認可をしようとするときは、次に掲げる基準によって、これをしなければならない。
一 荷主の正当な利益を害するおそれがないものであること。
二 少なくとも運賃及び料金の収受並びに一般貨物自動車運送事業者の責任に関する事項が明確に定められているものであること。
 
3 国土交通大臣が標準運送約款を定めて公示した場合(これを変更して公示した場合を含む。)において、一般貨物自動車運送事業者が、標準運送約款と同一の運送約款を定め、又は現に定めている運送約款を標準運送約款と同一のものに変更したときは、その運送約款については、第一項の規定による認可を受けたものとみなす。
 

 

(運賃及び料金等の掲示)
 
第十一条 一般貨物自動車運送事業者は、運賃及び料金(個人(事業として又は事業のために運送契約の当事者となる場合におけるものを除く。)を対象とするものに限る。)、運送約款その他国土交通省令で定める事項を主たる事務所その他の営業所において公衆に見やすいように掲示しなければならない。
 

 

第十二条 削除
 
第十三条 削除
 
第十四条 削除
 

 

輸送の安全性の向上
 
第十五条 一般貨物自動車運送事業者は、輸送の安全の確保が最も重要であることを自覚し、絶えず輸送の安全性の向上に努めなければならない。
 

 

安全管理規程等
 
第十六条 一般貨物自動車運送事業者(その事業の規模が国土交通省令で定める規模未満であるものを除く。以下この条において同じ。)は、安全管理規程を定め、国土交通省令で定めるところにより、国土交通大臣に届け出なければならない。これを変更しようとするときも、同様とする。
 
2 安全管理規程は、輸送の安全を確保するために一般貨物自動車運送事業者が遵守すべき次に掲げる事項に関し、国土交通省令で定めるところにより、必要な内容を定めたものでなければならない。
一 輸送の安全を確保するための事業の運営の方針に関する事項
二 輸送の安全を確保するための事業の実施及びその管理の体制に関する事項
三 輸送の安全を確保するための事業の実施及びその管理の方法に関する事項
四 安全統括管理者(一般貨物自動車運送事業者が、前三号に掲げる事項に関する業務を統括管理させるため、事業運営上の重要な決定に参画する管理的地位にあり、かつ、一般貨物自動車運送事業に関する一定の実務の経験その他の国土交通省令で定める要件を備える者のうちから選任する者をいう。以下同じ。)の選任に関する事項
 
3 国土交通大臣は、安全管理規程が前項の規定に適合しないと認めるときは、当該一般貨物自動車運送事業者に対し、これを変更すべきことを命ずることができる。
 
4 一般貨物自動車運送事業者は、安全統括管理者を選任しなければならない。
 
5 一般貨物自動車運送事業者は、安全統括管理者を選任し、又は解任したときは、国土交通省令で定めるところにより、遅滞なく、その旨を国土交通大臣に届け出なければならない。
 
6 一般貨物自動車運送事業者は、輸送の安全の確保に関し、安全統括管理者のその職務を行う上での意見を尊重しなければならない。
 
7 国土交通大臣は、安全統括管理者がその職務を怠った場合であって、当該安全統括管理者が引き続きその職務を行うことが輸送の安全の確保に著しく支障を及ぼすおそれがあると認めるときは、一般貨物自動車運送事業者に対し、当該安全統括管理者を解任すべきことを命ずることができる。
 

 

輸送の安全
 
第十七条 一般貨物自動車運送事業者は、事業用自動車の数、荷役その他の事業用自動車の運転に附帯する作業の状況等に応じて必要となる員数の運転者及びその他の従業員の確保、事業用自動車の運転者がその休憩又は睡眠のために利用することができる施設の整備、事業用自動車の運転者の適切な勤務時間及び乗務時間の設定その他事業用自動車の運転者の過労運転を防止するために必要な措置を講じなければならない。
 
2 一般貨物自動車運送事業者は、事業用自動車の運転者が疾病により安全な運転ができないおそれがある状態で事業用自動車を運転することを防止するために必要な医学的知見に基づく措置を講じなければならない。
 
3 一般貨物自動車運送事業者は、事業用自動車の最大積載量を超える積載をすることとなる運送(以下「過積載による運送」という。)の引受け、過積載による運送を前提とする事業用自動車の運行計画の作成及び事業用自動車の運転者その他の従業員に対する過積載による運送の指示をしてはならない。
 
4 前三項に規定するもののほか、一般貨物自動車運送事業者は、輸送の安全を確保するため、国土交通省令で定める事項を遵守しなければならない。
 
5 事業用自動車の運転者及び運転の補助に従事する従業員は、運行の安全を確保するため、国土交通省令で定める事項を遵守しなければならない。
 

 

運行管理者
 
第十八条 一般貨物自動車運送事業者は、事業用自動車の運行の安全の確保に関する業務を行わせるため、国土交通省令で定めるところにより、運行管理者資格者証の交付を受けている者のうちから、運行管理者を選任しなければならない。
 
2 前項の運行管理者の業務の範囲は、国土交通省令で定める。
 
3 一般貨物自動車運送事業者は、第一項の規定により運行管理者を選任したときは、遅滞なく、その旨を国土交通大臣に届け出なければならない。これを解任したときも、同様とする。
 

 

(運行管理者資格者証)
 
第十九条 国土交通大臣は、次の各号のいずれかに該当する者に対し、運行管理者資格者証を交付する。
一 運行管理者試験に合格した者
二 事業用自動車の運行の安全の確保に関する業務について国土交通省令で定める一定の実務の経験その他の要件を備える者
 
2 国土交通大臣は、前項の規定にかかわらず、次の各号のいずれかに該当する者に対しては、運行管理者資格者証の交付を行わないことができる。
一 次条の規定により運行管理者資格者証の返納を命ぜられ、その日から二年を経過しない者
二 この法律若しくはこの法律に基づく命令又はこれらに基づく処分に違反し、この法律の規定により罰金以上の刑に処せられ、その執行を終わり、又はその執行を受けることがなくなった日から二年を経過しない者
 
3 運行管理者資格者証の交付に関する手続的事項は、国土交通省令で定める。
 

 

(運行管理者資格者証の返納)
 
第二十条 国土交通大臣は、運行管理者資格者証の交付を受けている者がこの法律若しくはこの法律に基づく命令又はこれらに基づく処分に違反したときは、その運行管理者資格者証の返納を命ずることができる。
 

 

(運行管理者試験)
 
第二十一条 運行管理者試験は、運行管理者の業務に関し必要な知識及び能力について国土交通大臣が行う。
 
2 運行管理者試験は、国土交通省令で定める実務の経験を有する者でなければ、受けることができない。
 
3 運行管理者試験の試験科目、受験手続その他試験の実施細目は、国土交通省令で定める。
 

 

(運行管理者等の義務)
 
第二十二条 運行管理者は、誠実にその業務を行わなければならない。
 
2 一般貨物自動車運送事業者は、運行管理者に対し、第十八条第二項の国土交通省令で定める業務を行うため必要な権限を与えなければならない。
 
3 一般貨物自動車運送事業者は、運行管理者がその業務として行う助言を尊重しなければならず、事業用自動車の運転者その他の従業員は、運行管理者がその業務として行う指導に従わなければならない。
 

 

輸送の安全の確保を阻害する行為の禁止
 
第二十二条の二 一般貨物自動車運送事業者は、貨物自動車利用運送を行う場合にあっては、その利用する運送を行う一般貨物自動車運送事業者又は第三十五条第一項の許可を受けた者(以下「特定貨物自動車運送事業者」という。)が第十五条、第十六条第一項、第四項若しくは第六項、第十七条第一項から第四項まで、第十八条第一項若しくは前条第二項若しくは第三項の規定又は安全管理規程を遵守することにより輸送の安全を確保することを阻害する行為をしてはならない。
 

 

輸送の安全確保の命令
 
第二十三条 国土交通大臣は、一般貨物自動車運送事業者が、第十六条第一項、第四項若しくは第六項、第十七条第一項から第四項まで、第十八条第一項、第二十二条第二項若しくは第三項若しくは前条の規定又は安全管理規程を遵守していないため輸送の安全が確保されていないと認めるときは、当該一般貨物自動車運送事業者に対し、必要な員数の運転者の確保、事業用自動車の運行計画の改善、運行管理者に対する必要な権限の付与、貨物自動車利用運送を行う場合におけるその利用する運送を行う一般貨物自動車運送事業者又は特定貨物自動車運送事業者の輸送の安全の確保を阻害する行為の停止、当該安全管理規程の遵守その他その是正のために必要な措置を講ずべきことを命ずることができる。
 

 

事故の報告
 
第二十四条 一般貨物自動車運送事業者は、その事業用自動車が転覆し、火災を起こし、その他国土交通省令で定める重大な事故を引き起こしたときは、遅滞なく、事故の種類、原因その他国土交通省令で定める事項を国土交通大臣に届け出なければならない。
 

 

国土交通大臣による輸送の安全にかかわる情報の公表
 
第二十四条の二 国土交通大臣は、毎年度、第二十三条の規定による命令に係る事項、前条の規定による届出に係る事項その他の国土交通省令で定める輸送の安全にかかわる情報を整理し、これを公表するものとする。
 

 

一般貨物自動車運送事業者による輸送の安全にかかわる情報の公表
 
第二十四条の三 一般貨物自動車運送事業者は、国土交通省令で定めるところにより、輸送の安全を確保するために講じた措置及び講じようとする措置その他の国土交通省令で定める輸送の安全にかかわる情報を公表しなければならない。
 

 

(公衆の利便を阻害する行為の禁止等)
 
第二十五条 一般貨物自動車運送事業者は、荷主に対し、不当な運送条件によることを求め、その他公衆の利便を阻害する行為をしてはならない。
 
2 一般貨物自動車運送事業者は、一般貨物自動車運送事業の健全な発達を阻害する結果を生ずるような競争をしてはならない。
 
3 一般貨物自動車運送事業者は、特定の荷主に対し、不当な差別的取扱いをしてはならない。
 
4 国土交通大臣は、前三項に規定する行為があるときは、一般貨物自動車運送事業者に対し、当該行為の停止又は変更を命ずることができる。
 

 

(事業改善の命令)
 
第二十六条 国土交通大臣は、一般貨物自動車運送事業の適正かつ合理的な運営を確保するため必要があると認めるときは、一般貨物自動車運送事業者に対し、次に掲げる事項を命ずることができる。
一 事業計画を変更すること。
二 運送約款を変更すること。
三 自動車その他の輸送施設に関し改善措置を講ずること。
四 貨物の運送に関し生じた損害を賠償するために必要な金額を担保することができる保険契約を締結すること。
五 運賃又は料金が利用者の利便その他公共の利益を阻害している事実があると認められる場合において、当該運賃又は料金を変更すること。
六 前各号に掲げるもののほか、荷主の利便を害している事実がある場合その他事業の適正な運営が著しく阻害されていると認められる場合において、事業の運営を改善するために必要な措置を執ること。
 

 

名義の利用等の禁止
 
第二十七条 一般貨物自動車運送事業者は、その名義を他人に一般貨物自動車運送事業又は特定貨物自動車運送事業のため利用させてはならない。
 
2 一般貨物自動車運送事業者は、事業の貸渡しその他いかなる方法をもってするかを問わず、一般貨物自動車運送事業又は特定貨物自動車運送事業を他人にその名において経営させてはならない。
 

 

第二十八条 削除
 

 

輸送の安全に関する業務の管理の受委託
 
第二十九条 事業用自動車の運行の管理その他国土交通省令で定める一般貨物自動車運送事業に係る輸送の安全に関する業務の管理の委託及び受託については、国土交通大臣の許可を受けなければならない。
 
2 国土交通大臣は、受託者が当該業務の管理を行うのに適している者でないと認める場合を除き、前項の許可をしなければならない。
 

 

(事業の譲渡し及び譲受け等)
 
第三十条 一般貨物自動車運送事業の譲渡し及び譲受けは、国土交通大臣の認可を受けなければ、その効力を生じない。
 
2 一般貨物自動車運送事業者たる法人の合併及び分割は、国土交通大臣の認可を受けなければ、その効力を生じない。ただし、一般貨物自動車運送事業者たる法人と一般貨物自動車運送事業を経営しない法人が合併する場合において一般貨物自動車運送事業者たる法人が存続するとき又は一般貨物自動車運送事業者たる法人が分割をする場合において一般貨物自動車運送事業を承継させないときは、この限りでない。
 
3 第五条及び第六条の規定は、前二項の認可について準用する。
 
4 第一項の認可を受けて一般貨物自動車運送事業を譲り受けた者又は第二項の認可を受けて一般貨物自動車運送事業者たる法人が合併若しくは分割をした場合における合併後存続する法人若しくは合併により設立された法人若しくは分割により一般貨物自動車運送事業を承継した法人は、第三条の許可に基づく権利義務を承継する。
 

 

(相続)
 
第三十一条 一般貨物自動車運送事業者が死亡した場合において、相続人(相続人が二人以上ある場合においてその協議により当該一般貨物自動車運送事業を承継すべき相続人を定めたときは、その者。以下同じ。)が被相続人の経営していた一般貨物自動車運送事業を引き続き経営しようとするときは、被相続人の死亡後六十日以内に、国土交通大臣の認可を受けなければならない。
 
2 相続人が前項の認可の申請をした場合には、被相続人の死亡の日からその認可をする旨又はその認可をしない旨の通知を受ける日までは、被相続人に対してした一般貨物自動車運送事業の許可は、その相続人に対してしたものとみなす。
 
3 第五条及び第六条の規定は、第一項の認可について準用する。
 
4 第一項の認可を受けた者は、被相続人に係る第三条の許可に基づく権利義務を承継する。
 

 

事業の休止及び廃止
 
第三十二条 一般貨物自動車運送事業者は、その事業を休止し、又は廃止したときは、その日から三十日以内に、その旨を国土交通大臣に届け出なければならない。
 

 

許可の取消し等
 
第三十三条 国土交通大臣は、一般貨物自動車運送事業者が次の各号のいずれかに該当するときは、六月以内において期間を定めて自動車その他の輸送施設の当該事業のための使用の停止若しくは事業の全部若しくは一部の停止を命じ、又は第三条の許可を取り消すことができる。
一 この法律若しくはこの法律に基づく命令若しくはこれらに基づく処分若しくは道路運送法(昭和二十六年法律第百八十三号)第八十三条若しくは第九十五条の規定若しくは同法第八十四条第一項の規定による処分又は許可若しくは認可に付した条件に違反したとき。
二 第五条各号のいずれかに該当するに至ったとき。
 

 
第三十四条 国土交通大臣は、前条の規定により事業用自動車の使用の停止又は事業の停止を命じたときは、当該事業用自動車の道路運送車両法による自動車検査証を国土交通大臣に返納し、又は当該事業用自動車の同法による自動車登録番号標及びその封印を取り外した上、その自動車登録番号標について国土交通大臣の領置を受けるべきことを命ずることができる。
 
2 国土交通大臣は、前条の規定による事業用自動車の使用の停止又は事業の停止の期間が満了したときは、前項の規定により返納を受けた自動車検査証又は同項の規定により領置した自動車登録番号標を返付しなければならない。
 
3 前項の規定により自動車登録番号標(次項に規定する自動車に係るものを除く。)の返付を受けた者は、当該自動車登録番号標を当該自動車に取り付け、国土交通大臣の封印の取付けを受けなければならない。
 
4 国土交通大臣は、第一項の規定による命令に係る自動車であって、道路運送車両法第十六条第一項の申請(同法第十五条の二第五項の規定により申請があったものとみなされる場合を含む。)に基づき一時抹消登録をしたものについては、前条の規定による事業用自動車の使用の停止又は事業の停止の期間が満了するまでは、同法第十八条の二第一項本文の登録識別情報を通知しないものとする。
 


 
(特定貨物自動車運送事業)
 
第三十五条 特定貨物自動車運送事業を経営しようとする者は、国土交通大臣の許可を受けなければならない。
 
2 前項の許可を受けようとする者は、次に掲げる事項を記載した申請書を国土交通大臣に提出しなければならない。
一 氏名又は名称及び住所並びに法人にあっては、その代表者の氏名
二 運送の需要者の氏名又は名称及び住所並びに法人にあっては、その代表者の氏名
三 営業所の名称及び位置、事業用自動車の概要、貨物自動車利用運送を行うかどうかの別その他国土交通省令で定める事項に関する事業計画
 
3 国土交通大臣は、その事業の計画が過労運転の防止その他輸送の安全を確保するため適切なものであると認めるときでなければ、第一項の許可をしてはならない。
 
4 第四条第二項(第二号に係る部分に限る。)及び第三項並びに第五条の規定は、第一項の許可について準用する。
 
5 第七条第四項の規定は同条第一項の規定による緊急調整地域の指定がある場合における第一項の許可の申請について、同条第六項の規定は当該緊急調整地域の指定がある場合における特定貨物自動車運送事業者について準用する。
 
6 第九条、第十五条、第十六条、第十七条第一項から第四項まで、第十八条、第二十二条第二項及び第三項、第二十二条の二から第二十四条の三まで、第二十七条、第三十二条並びに第三十三条の規定は特定貨物自動車運送事業者について、第十七条第五項及び第二十二条第三項の規定は特定貨物自動車運送事業者の事業用自動車の運転者及び従業員について、同条第一項の規定は特定貨物自動車運送事業者が選任した運行管理者について、第二十九条の規定は特定貨物自動車運送事業に係る輸送の安全に関する業務について、前条の規定は特定貨物自動車運送事業者の事業用自動車について準用する。この場合において、第九条第二項中「第六条」とあるのは、「第三十五条第三項」と読み替えるものとする。
 
7 特定貨物自動車運送事業の譲渡し又は特定貨物自動車運送事業者について合併、分割(当該事業を承継させるものに限る。)若しくは相続があったときは、当該事業を譲り受けた者又は合併後存続する法人(特定貨物自動車運送事業者たる法人と特定貨物自動車運送事業を経営しない法人の合併後存続する特定貨物自動車運送事業者たる法人を除く。)若しくは合併により設立された法人、分割により当該事業を承継した法人若しくは相続人は、第一項の許可に基づく権利義務を承継する。
 
8 前項の規定により第一項の許可に基づく権利義務を承継した者は、その承継の日から三十日以内に、その旨を国土交通大臣に届け出なければならない。

 


続いて、「 貨物自動車運送事業法施行規則 」の中で一般貨物について規定した条文のうち、

 

特定貨物に準用されないものは、打消し線を入れました。

特定貨物に準用されるものは、ピンク色の文字で記載しました。

特定貨物に準用されないものの、特定貨物の規定に同趣旨のものがあるものは、青色の文字で記載しました。

④その他、注意すべき点は、赤色の文字で記載しました。

 

なお、もともと一般貨物と特定貨物の双方に適用される条文は、打消し線を入れず、そのまま茶色の文字で記載してあります(その他、特定貨物独自の条文については、そのままの文字色で記載しました)。

 


 

貨物自動車運送事業法施行規則
 
(事業計画)
 
第二条 法第四条第一項第二号の事業計画には、次に掲げる事項を記載しなければならない。
一 主たる事務所の名称及び位置
二 営業所の名称及び位置
三 各営業所に配置する事業用自動車の種別(霊きゅう自動車又は霊きゅう自動車以外の自動車(以下「普通自動車」という。)の別をいう。以下この号及び第六条第一項において同じ。)及び事業用自動車の種別ごとの数
四 自動車車庫の位置及び収容能力
五 事業用自動車の運転者及び運転の補助に従事する従業員(以下「乗務員」という。)の休憩又は睡眠のための施設の位置及び収容能力
六 特別積合せ貨物運送をするかどうかの別
七 貨物自動車利用運送を行うかどうかの別
 
2 特別積合せ貨物運送をしようとする場合にあっては、前項に掲げる事項のほか、次に掲げる事項を記載しなければならない。
一 特別積合せ貨物運送に係る営業所及び荷扱所の名称及び位置
二 営業所又は荷扱所の積卸施設の取扱能力
三 各営業所に配置する事業用自動車のうち特別積合せ貨物運送に係る運行系統(以下単に「運行系統」という。)に配置するもの(以下「運行車」という。)の数
四 運行系統
五 運行系統ごとの運行日並びに最大及び最小の運行回数
 
3 貨物自動車利用運送を行おうとする場合にあっては、前二項に掲げる事項のほか、次に掲げる事項を記載しなければならない。
一 貨物自動車利用運送に係る営業所の名称及び位置
二 業務の範囲
三 貨物の保管体制を必要とする場合にあっては、保管施設の概要
四 利用する運送を行う一般貨物自動車運送事業者又は特定貨物自動車運送事業者(以下「利用する事業者」という。)の概要
 

 
(添付書類)  
 
第三条 法第四条第三項の国土交通省令で定める事項を記載した書類は、次のとおりとする。
一 事業用自動車の運行管理の体制を記載した書類
二 事業の開始に要する資金の総額及びその内訳並びにその資金の調達方法を記載した書類
三 事業の用に供する施設の概要及び付近の状況を記載した書類
四 特別積合せ貨物運送をしようとする場合にあっては、次に掲げる書類
イ 事業用自動車の乗務に関する基準を記載した書類(貨物自動車運送事業輸送安全規則(平成二年運輸省令第二十二号)第三条第八項の規定により定めなければならないこととされている場合に限る。)
ロ 次に掲げる事項を記載した運行系統図(縮尺二十万分の一以上の平面図)
(1) 起点、終点及び経過地の位置
(2) 特別積合せ貨物運送に係る営業所及び荷扱所の名称及び位置
(3) 縮尺及び方位
ハ 積合せ貨物に係る紛失等の事故の防止その他特別積合せ貨物運送の管理の体制を記載した書類
ニ 推定による一年間の取扱貨物の種類及び数量並びにその算出の基礎を記載した書類
五 貨物自動車利用運送を行おうとする場合にあっては、次に掲げる書類
イ 利用する事業者との運送に関する契約書の写し
ロ 貨物の保管体制を必要とする場合にあっては、保管施設の面積、構造及び附属設備を記載した書類
六 既存の法人にあっては、次に掲げる書類
イ 定款又は寄附行為及び登記事項証明書
ロ 最近の事業年度における貸借対照表
ハ 役員又は社員の名簿及び履歴書
七 法人を設立しようとするものにあっては、次に掲げる書類
イ 定款(会社法(平成十七年法律第八十六号)第三十条第一項及びその準用規定により認証を必要とする場合にあっては、認証のある定款)又は寄附行為の謄本
ロ 発起人、社員又は設立者の名簿及び履歴書
ハ 設立しようとする法人が株式会社である場合にあっては、株式の引受けの状況及び見込みを記載した書類
八 個人にあっては、次に掲げる書類
イ 資産目録
ロ 戸籍抄本
ハ 履歴書
九 法第五条各号のいずれにも該当しない旨を証する書類
 

 
(緊急調整措置)
 
第四条 法第七条第六項の国土交通省令で定める事業計画の変更は、次のとおりとする。
一 緊急調整地域における営業所に配置する事業用自動車の数の合計数の増加
二 緊急調整区間を全部又は一部とする運行系統の設定
三 緊急調整区間を全部又は一部とする運行系統に係る最大の運行回数の増加
 

 
事業計画の変更の認可の申請
 
第五条 法第九条第一項の規定により事業計画の変更の認可を申請しようとする者は、次に掲げる事項を記載した事業計画変更認可申請書を提出しなければならない。
一 氏名又は名称及び住所並びに法人にあっては、その代表者の氏名
二 変更しようとする事項(新旧の対照を明示すること。)
三 変更を必要とする理由
 
2 前項の申請書には、第三条に掲げる書類のうち事業計画の変更に伴いその内容が変更されるものを添付しなければならない。
 

 
(事業計画の変更の届出)
 
第六条 法第九条第三項の事業用自動車に関する国土交通省令で定める事業計画の変更は、次のとおりとする。
一 各営業所に配置する事業用自動車の種別ごとの数の変更
二 各営業所に配置する運行車の数の変更
 
2 前項の事業計画の変更の届出をしようとする者は、次に掲げる事項を記載した事業計画変更事前届出書を提出しなければならない。
一 氏名又は名称及び住所並びに法人にあっては、その代表者の氏名
二 変更しようとする事項(新旧の対照を明示すること。)
三 変更を必要とする理由
 
3 前項の届出書には、第三条に掲げる書類のうち事業計画の変更に伴いその内容が変更されるものを添付しなければならない。
 

 
第七条 法第九条第三項の国土交通省令で定める軽微な事項に関する事業計画の変更は、次のとおりとする。
一 主たる事務所の名称及び位置の変更
二 営業所又は荷扱所の名称の変更
三 営業所又は荷扱所の位置の変更(貨物自動車利用運送のみに係るもの及び地方運輸局長が指定する区域内におけるものに限る。)
四 第二条第三項第二号から第四号までに掲げる事項の変更
 
2 前項の事業計画の変更の届出をしようとする者は、次に掲げる事項を記載した事業計画変更事後届出書を提出しなければならない。
一 氏名又は名称及び住所並びに法人にあっては、その代表者の氏名
二 変更した事項(新旧の対照を明示すること。)
三 変更を必要とした理由
 
3 前項の届出書には、第三条に掲げる書類のうち事業計画の変更に伴いその内容が変更されるものを添付しなければならない。
 

 
(事業計画の変更の認可の申請又は届出に関する手続の省略)
 
第八条 輸送の安全に関する業務の管理の委託及び受託の許可又は一般貨物自動車運送事業の譲渡し及び譲受け、一般貨物自動車運送事業者たる法人の合併、分割若しくは相続による一般貨物自動車運送事業の継続の認可を申請しようとする一般貨物自動車運送事業者は、これらの事由に伴って事業計画を変更しようとするときは、当該許可又は認可の申請書に事業計画について変更しようとする事項を記載した書類(新旧の対照を明示すること。)及び第三条に掲げる書類のうち事業計画の変更に伴いその内容が変更されるものを添付することにより、当該事業計画の変更の認可の申請又は届出に関する手続を省略することができる
 

 
第九条 削除
 

 
(運送約款の認可の申請)
 
第十条 法第十条第一項の規定により運送約款の設定又は変更の認可を申請しようとする者は、次に掲げる事項を記載した運送約款設定(変更)認可申請書を提出しなければならない。
一 氏名又は名称及び住所並びに法人にあっては、その代表者の氏名
二 設定し、又は変更しようとする運送約款(変更の認可の申請の場合にあっては、新旧の対照を明示すること。)
三 変更の認可の申請の場合にあっては、変更を必要とする理由
 

 
(運送約款の記載事項)
 
第十一条 法第十条第一項の運送約款には、次に掲げる事項を記載しなければならない。
一 特別積合せ貨物運送をするかどうかの別
二 貨物自動車利用運送を行うかどうかの別
三 運賃及び料金の収受又は払戻しに関する事項
四 運送の引受けに関する事項
五 積込み及び取卸しに関する事項
六 受取、引渡し及び保管に関する事項
七 損害賠償その他責任に関する事項
八 その他運送約款の内容として必要な事項
 

 
第十二条 削除
 

 
(掲示事項)
 
第十三条 法第十一条の規定により掲示しなければならない事項は、次のとおりとする。
一 運賃及び料金(個人(事業として又は事業のために運送契約の当事者となる場合におけるものを除く。)を対象とするものに限る。)
二 運送約款
三 運行系統
四 法第七条第四項の規定により一般貨物自動車運送事業の許可に付された事業の範囲の限定
五 業務の範囲(法第五十九条第一項の規定により付された条件によって業務の範囲が限定されている場合に限る。)
 

 
第十四条 削除
 

 
第十五条 削除
 

 
輸送の安全に関する業務の管理の受委託の許可の申請
 
第十六条 法第二十九条第一項の規定によりその委託及び受託の許可を受けなければならない輸送の安全に関する業務の管理は、次のとおりとする。
一 事業用自動車の運行の管理
二 事業の用に供する施設の保守の管理
 
2 法第二十九条第一項の規定により輸送の安全に関する業務の管理の委託及び受託の許可を申請しようとする者は、次に掲げる事項を記載し、かつ、当事者が連署した業務の管理受委託許可申請書を提出しなければならない。
一 委託者及び受託者の氏名又は名称及び住所並びに法人にあっては、その代表者の氏名
二 管理の委託及び受託をしようとする業務の種類
三 委託及び受託をしようとする管理の範囲及び方法
四 委託及び受託の開始の予定日及びその期間
五 委託及び受託を必要とする理由
 
3 前項の申請書には、次に掲げる書類を添付しなければならない。
一 管理の委託受託契約書の写し
二 管理の報酬その他管理の実施方法の細目を記載した書類
三 受託者が現に一般貨物自動車運送事業又は特定貨物自動車運送事業経営していない場合にあっては、第三条第六号(ロを除く。)第七号又は第八号(イを除く。)に掲げる書類
 

 
事業の譲渡し及び譲受けの認可の申請
 
第十七条 法第三十条第一項の規定により一般貨物自動車運送事業の譲渡し及び譲受けの認可を申請しようとする者は、次に掲げる事項を記載し、かつ、当事者が連署した事業の譲渡譲受認可申請書を提出しなければならない。
一 譲渡人及び譲受人の氏名又は名称及び住所並びに法人にあっては、その代表者の氏名
二 譲渡し及び譲受けの価格
三 譲渡し及び譲受けの予定日
四 譲渡し及び譲受けを必要とする理由
 
2 前項の申請書には、次に掲げる書類を添付しなければならない。
一 譲渡譲受契約書の写し
二 譲渡し及び譲受けの価格の明細書
三 譲受人が現に一般貨物自動車運送事業又は特定貨物自動車運送事業を経営していない場合にあっては、第三条第六号(ロを除く。)、第7号又は第八号(イを除く。)及び第九号に掲げる書類
 

 
法人の合併又は分割の認可の申請
 
第十八条 法第三十条第二項の規定により一般貨物自動車運送事業者たる法人の合併又は分割の認可を申請しようとする者は、次に掲げる事項を記載し、かつ、当事者が連署(新設分割の場合にあっては、署名)した法人の合併(分割)認可申請書を提出しなければならない。
一 当事者の名称、住所及び代表者の氏名
二 合併後存続する法人若しくは合併により設立する法人又は分割により一般貨物自動車運送事業を承継する法人の名称、住所及び代表者の氏名
三 合併又は分割の方法及び条件
四 合併又は分割の予定日
五 合併又は分割を必要とする理由
 
2 前項の申請書には、次に掲げる書類を添付しなければならない。
一 合併契約書又は分割契約書(新設分割の場合にあっては、分割計画書)の写し
二 合併又は分割の方法及び条件の説明書
三 合併後存続する法人若しくは合併により設立する法人又は分割により一般貨物自動車運送事業を承継する法人が現に一般貨物自動車運送事業を経営していない場合にあっては、第三条第六号(ロを除く。)又は第七号及び第九号に掲げる書類
 

 
相続人の事業継続の認可の申請
 
第十九条 法第三十一条第一項の規定により相続による一般貨物自動車運送事業の継続の認可を申請しようとする相続人は、次に掲げる事項を記載した事業の継続認可申請書を提出しなければならない。
一 氏名及び住所並びに被相続人との続柄
二 被相続人の氏名及び住所
三 相続の開始の日
 
2 前項の申請書には、次に掲げる書類を添付しなければならない。
一 申請者と被相続人との続柄を証する書類
二 申請者が現に一般貨物自動車運送事業又は特定貨物自動車運送事業を経営していない場合にあっては、第三条第八号イ及ハ並びに第九号に掲げる書類
三 申請者以外に相続人がある場合にあっては、当該一般貨物自動車運送事業を申請者が継続して経営することに対する当該申請者以外の相続人の同意書
 

 
事業の休止及び廃止の届出
 
第二十条 法第三十二条の規定により一般貨物自動車運送事業の休止又は廃止の届出をしようとする者は、次に掲げる事項を記載した事業の休止(廃止)届出書を提出しなければならない。
一 氏名又は名称及び住所並びに法人にあっては、その代表者の氏名
二 休止又は廃止の日
三 休止の届出の場合にあっては、休止の予定期間
四 休止又は廃止を必要とした理由
 


 
第三章 特定貨物自動車運送事業
 

 
(事業計画)
 
第二十一条 法第三十五条第二項第三号の事業計画には、第二条第一項第一号、第二号、第四号、第五号及び第七号並びに同条第三項に掲げる事項並びに各営業所に配置する事業用自動車の数を記載しなければならない。
 

 
(添付書類)
 
第二十二条 法第三十五条第四項において準用する法第四条第三項の国土交通省令で定める事項を記載した書類は、次のとおりとする。
一 第三条第一号、第三号、第五号及び第六号(ロを除く。)、第七号又は第八号(イを除く。)並びに第九号に掲げる書類
二 運送の需要者との契約書又は協定書の写し
 

 
(事業計画の変更の認可の申請)
 
第二十三条 第五条の規定は、法第三十五条第六項において準用する法第九条第一項の規定による特定貨物自動車運送事業の事業計画の変更の認可の申請について準用する。
 

 
(事業計画の変更の届出)
 
第二十四条 法第三十五条第六項において準用する法第九条第三項の事業用自動車に関する国土交通省令で定める事業計画の変更は、各営業所に配置する事業用自動車の数の変更とする。
 
2 第六条第二項及び第三項の規定は、前項の事業計画の変更の届出について準用する。
 

 
第二十五条 法第三十五条第六項において準用する法第九条第三項の国土交通省令で定める軽微な事項に関する事業計画の変更は、次のとおりとする。
一 主たる事務所の名称及び位置の変更
二 営業所の名称及び位置の変更
三 第二条第三項第二号から第四号までに掲げる事項の変更
 
2 第七条第二項及び第三項の規定は、前項の事業計画の変更の届出について準用する。
 

 
(事業計画の変更の認可の申請又は届出に関する手続の省略)
 
第二十六条 輸送の安全に関する業務の管理の委託及び受託の許可を申請しようとする特定貨物自動車運送事業者は、これに伴って事業計画を変更しようとするときは、当該許可の申請書に事業計画について変更しようとする事項を記載した書類(新旧の対照を明示すること。)及び第二十二条に掲げる書類のうち事業計画の変更に伴いその内容が変更されるものを添付することにより、当該事業計画の変更の認可の申請又は届出に関する手続を省略することができる。
 

 
第二十七条 削除
 

 
第二十八条 削除
 

 
第二十九条 削除
 

 
(輸送の安全に関する業務の管理の受委託の許可の申請)
 
第三十条 第十六条第一項の規定は、法第三十五条第六項において準用する法第二十九条第一項の規定によりその委託及び受託の許可を受けなければならない輸送の安全に関する業務の管理について準用する。
 
2 第十六条第二項及び第三項の規定は、法第三十五条第六項において準用する法第二十九条第一項の規定による輸送の安全に関する業務の管理の委託及び受託の許可の申請について準用する。この場合において、第十六条第三項第三号中「一般貨物自動車運送事業」とあるのは「一般貨物自動車運送事業又は特定貨物自動車運送事業」と、「第三条第六号、第七号又は第八号」とあるのは「第三条第六号(ロを除く。)、第七号又は第八号(イを除く。)」と読み替えるものとする。
 

 
(事業の休止及び廃止の届出)
 
第三十一条 第二十条の規定は、法第三十五条第六項において準用する法第三十二条の規定による特定貨物自動車運送事業の休止又は廃止の届出について準用する。
 

 
(事業の譲受けの届出等)
 
第三十二条 第十七条(第一項第二号及び第二項第二号を除く。)の規定は、法第三十五条第八項の規定による特定貨物自動車運送事業の譲受けの届出について準用する。この場合において、第十七条第二項第三号中「一般貨物自動車運送事業」とあるのは「一般貨物自動車運送事業又は特定貨物自動車運送事業」と、「第三条第六号、第七号又は第八号」とあるのは「第三条第六号(ロを除く。)又は第八号(イを除く。)」と読み替えるものとする。
 
2 第十八条の規定は、法第三十五条第八項の規定による特定貨物自動車運送事業者たる法人の合併又は分割の届出について準用する。この場合において、第十八条第二項第三号中「第三条第六号又は第七号」とあるのは、「第三条第六号(ロを除く。)」と読み替えるものとする。
 
3 前項の届出をしようとする者は、届出書に当該法人の設立、合併又は分割に係る登記事項証明書を添付しなければならない。
 
4 第十九条の規定は、法第三十五条第八項の規定による相続による特定貨物自動車運送事業の継続の届出について準用する。この場合において、第十九条第二項第二号中「一般貨物自動車運送事業」とあるのは「一般貨物自動車運送事業又は特定貨物自動車運送事業」と、「第三条第八号イ及びハ」とあるのは「第三条第八号ハ」と読み替えるものとする。
 

 
(届出)
 
第四十四条 一般貨物自動車運送事業者、特定貨物自動車運送事業者、貨物軽自動車運送事業者、特定第二種貨物利用運送事業者、地方実施機関及び全国実施機関は、次の各号に掲げる場合に該当することとなったときは、その旨を当該各号に掲げる国土交通大臣、地方運輸局長、運輸監理部長又は運輸支局長に届け出なければならない。
一 一般貨物自動車運送事業又は特定貨物自動車運送事業の運輸を開始した場合 当該一般貨物自動車運送事業又は特定貨物自動車運送事業の許可をした国土交通大臣又は地方運輸局長
二 一般貨物自動車運送事業の譲渡し及び譲受け又は法人の合併若しくは分割が終了した場合 当該事項の認可をした国土交通大臣又は地方運輸局長
三 休止していた一般貨物自動車運送事業又は特定貨物自動車運送事業を再開した場合 当該休止の届出を受理した運輸監理部長又は運輸支局長
四 法第八条第二項、法第二十三条(法第三十五条第六項、法第三十六条第二項及び法第三十七条第三項において準用する場合を含む。)、法第二十五条第四項又は法第二十六条の規定に基づく命令を実施した場合 当該命令を発した国土交通大臣、地方運輸局長、運輸監理部長又は運輸支局長
五 一般貨物自動車運送事業者又は特定貨物自動車運送事業者の氏名、名称又は住所に変更があった場合 当該一般貨物自動車運送事業又は特定貨物自動車運送事業の許可をした国土交通大臣又は地方運輸局長
六 一般貨物自動車運送事業者又は特定貨物自動車運送事業者たる法人であって、役員又は社員に変更があった場合 当該一般貨物自動車運送事業又は特定貨物自動車運送事業の許可をした国土交通大臣又は地方運輸局長
 特定貨物自動車運送事業の運送の需要者の氏名、名称、住所又は法人にあっては、その代表者の氏名に変更があった場合 当該特定貨物自動車運送事業の許可をした地方運輸局長
八 地方実施機関又は全国実施機関の名称、住所又は事務所の所在地を変更しようとする場合 地方実施機関にあっては地方運輸局長、全国実施機関にあっては国土交通大臣
九 地方実施機関が、第三十七条の規定により適正化事業指導員を選任した場合 地方運輸局長
十 適正化事業指導員が、転任、退職その他の理由により適正化事業指導員でなくなった場合 地方運輸局長
 
2 前項の届出は、届出事由の発生した後遅滞なく(同項第六号に掲げる場合(代表権を有しない役員又は社員に変更があった場合に限る。)にあっては前年七月一日から六月三十日までの期間に係る変更について毎年七月三十一日までに、同項第八号に掲げる場合にあってはあらかじめ、同項第九号及び第十号に掲げる場合にあっては十五日以内に)行わなければならない。
 
3 第一項の届出をしようとする者は、次に掲げる事項を記載した届出書を提出しなければならない。この場合において、当該届出事項に関し、法人の設立、合併又は分割があったときは、その登記事項証明書、役員又は社員に変更があったときは、新たに役員又は社員になった者が法第五条第一号から第三号までの規定に該当しない旨の宣誓書を添付しなければならない。
一 氏名又は名称及び住所並びに法人にあっては、その代表者の氏名
二 届出事項
三 届出事由の発生の日
四 第一項第十号に掲げる場合にあっては、適正化事業指導員でなくなった理由
 
4 第一項第五号又は第六号の届出書の提出については、第三項及び次条の規定にかかわらず、貨物流通事業者の氏名の変更の届出等の一本化した提出の手続を定める省令(平成七年運輸省令第三十七号)の定めるところによることができる。
 
5 地方運輸局長又は国土交通大臣は、第一項第八号の届出があったときは、その旨を公示しなければならない。

 


最後は、「 貨物自動車運送事業報告規則 」です。

 

一般貨物では事業報告書と事業実績報告書を提出しなければなりませんが、特定貨物では事業実績報告書のみ提出すればよいことになっております。

 

貨物自動車運送事業報告規則
 
(趣旨)
 
第一条 貨物自動車運送事業法(以下「法」という。)第六十条第一項(法第三十七条第三項において準用する場合を含む。)の規定による報告については、この省令の定めるところによる。
 

 
(事業報告書及び事業実績報告書)
 
第二条 貨物自動車運送事業者(貨物軽自動車運送事業者を除く。)は、次の表の第一欄に掲げる事業者の区分に応じ、同表の第二欄に掲げる国土交通大臣又はその主たる事務所の所在地を管轄する地方運輸局長(以下「所轄地方運輸局長」という。)に、同表の第三欄に掲げる報告書を、同表の第四欄に掲げる時期に提出しなければならない。
 
第一欄
第二欄
第三欄
第四欄
一 一般貨物自動車運送事業者(次号に掲げる者を除く。)
所轄地方運輸局長
毎事業年度に係る事業報告書
毎事業年度の経過後百日以内
前年四月一日から三月三十一日までの期間に係る事業実績報告書
毎年七月十日まで
二 特別積合せ貨物運送(運行系統が二以上の地方運輸局長の管轄区域に設定され、かつ、その起点から終点までの距離の合計(運行系統が重複する部分に係る距離を除く。)が百キロメートル以上のものに限る。)を行う一般貨物自動車運送事業者
国土交通大臣
毎事業年度に係る事業報告書
毎事業年度の経過後百日以内
前年四月一日から三月三十一日までの期間に係る事業実績報告書
毎年七月十日まで
三 特定貨物自動車運送事業者
所轄地方運輸局長
前年四月一日から三月三十一日までの期間に係る事業実績報告書
毎年七月十日まで
 
2 前項の事業報告書は、事業概況報告書(第一号様式)並びに貸借対照表、損益計算書及び次に掲げる財務計算に関する明細表とする。
一 一般貨物自動車運送事業損益明細表(第二号様式)
二 一般貨物自動車運送事業人件費明細表(第三号様式)
 
3 第一項の事業実績報告書は、貨物自動車運送事業実績報告書(第四号様式)とする。
 

 
(運賃及び料金の届出)
 
第二条の二 一般貨物自動車運送事業者、特定貨物自動車運送事業者及び貨物軽自動車運送事業者は、運賃及び料金を定め又は変更したときは、運賃及び料金の設定又は変更後三十日以内に、次の各号に掲げる事項を記載した運賃料金設定(変更)届出書を、一般貨物自動車運送事業及び特定貨物自動車運送事業に係るものにあっては所轄地方運輸局長(特別積合せ貨物運送に係る運賃及び料金であって、届出に係る運行系統が二以上の地方運輸局長の管轄区域に設定され、かつ、その起点から終点までの距離の合計(運行系統が重複する部分に係る距離を除く。)が百キロメートル以上である場合にあっては国土交通大臣)に、貨物軽自動車運送事業に係るものにあってはその主たる事務所の所在地を管轄する運輸監理部長又は運輸支局長に、それぞれ提出しなければならない。
一 氏名又は名称及び住所並びに法人にあっては、その代表者の氏名
二 事業の種別(一般貨物自動車運送事業、特定貨物自動車運送事業又は貨物軽自動車運送事業の別をいう。)
三 設定し、又は変更しようとする運賃及び料金を適用する運行系統又は地域
四 設定し、又は変更しようとする運賃及び料金の種類、額及び適用方法(変更の届出の場合にあっては、新旧の対照を明示すること。)
五 実施日
 

 
(臨時の報告)
 
第三条 貨物自動車運送事業者又は特定第二種貨物利用運送事業者は、前二条に定める報告書又は届出書のほか、国土交通大臣、地方運輸局長、運輸監理部長又は運輸支局長から、その事業に関し報告を求められたときは、報告書を提出しなければならない。
 
2 国土交通大臣、地方運輸局長、運輸監理部長又は運輸支局長は、前項の報告を求めるときは、報告書の様式、報告書の提出期限その他必要な事項を明示するものとする。
 

 
(報告書の経由)
 
第四条 この省令の規定により国土交通大臣に報告書又は届出書を提出するときは、所轄地方運輸局長を経由することができる。
 
2 この省令の規定により国土交通大臣又は地方運輸局長に報告書又は届出書を提出するときは、その主たる事務所の所在地を管轄する運輸監理部長又は運輸支局長を経由することができる。
 
 


 

以上、特定貨物と一般貨物の取扱上の違いについてご案内して参りました。

 

私の個人的な考えでは、「将来的なことも考えた上で「特定貨物」の許可でよい」という運送事業者様におかれましては、「一般貨物」の許可を受けずに、「特定貨物」の許可を受けて運送事業を経営して頂いても、デメリットはないと思っております。

 


 

自動車を使用して貨物を輸送する運送事業を「貨物自動車運送事業」といい、「軽貨物」、「一般貨物」、「特定貨物」の3種類に分けられる。

 

「軽貨物」は軽自動車やバイクを使用して貨物を運送する場合が該当する。

 

貨物の運送を無償ただで行う場合は、貨物自動車運送事業に該当しない

 

複数の荷主から運送の依頼を受ける予定がある場合は、「特定貨物」ではなく「一般貨物の許可を受けなければならない。

 

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