一般貨物Q&Aその7|運送業の開業にあたり備えるべき要件は(車両編2)

 

一般貨物Q&A」は、運送業に関する様々なテーマをピックアップして、知識や情報を提供することを目的としたページです。

 

これから開業しようとお考えの方が本ページを読んで、運送業に関する知識を習得していただければ、幸いです。

 

Q16.許可後に交付される「事業用自動車等連絡書」とは、いつ発行されるのですか?

 



 

A16.「開業の準備が整った」ことを運輸支局が確認したときに、発行されます。

 



 

前回の記事で出てきた「事業用自動車等連絡書」についてご説明します。

 

「開業の準備が整った」というのは、具体的な状況としては、

 

・許可を受けて、許可書を受け取った・登録免許税12万円を支払った

 

・運転者、運行管理者、整備管理者等の従業員の雇用手続きも終わり、実際に働き始めた

 

・従業員の社会保険・労働保険の加入手続きが済んだ

 

・運行管理者、整備管理者を正式に選任し、その届出を運輸支局に行った

 

・営業所、休憩場所、睡眠場所、車庫は備品や設備の設置などの準備がすべて終わり、いつでも使える状態だ

 

・会社に備えておくべき帳票類も準備してあり、開業したらすぐに記入して会社に保管できる体制だ

 

といった手続きが終わり、「一般貨物(特定貨物)自動車運送事業を開業できる状態になっている」ことをいいます。

 

残る手続きは、車両のナンバープレートの変更などの自動車登録手続任意保険の加入手続だけという状況です(厳密には運輸開始の届出と運賃・料金の設定の届出が最後にあります)。

 

この状態にあることを運輸支局に各種書面を提出して証明すると、「事業用自動車等連絡書通称、「連絡書)」を発行してもらえます。

 

なお、中部運輸局管轄の運輸支局では、連絡書の作成から発行までを運輸支局側が行って下さるものと思いますが、運輸局の管轄によっては、連絡書の作成は申請者側に行わせて、運輸支局は連絡書への押印のみを行うという取扱いになっている場合もあります。

 



Q17.私は運送事業用に新車を購入し、無事、許可を受けることができました。ディーラーさんに、車両の新規登録をしてもらうにあたり、警察の車庫証明をとる必要はありますか?

 



 

A17.車庫証明をとる必要はありません。

許可を受けたということは、車庫に関する調査で、(許可に何かしらの条件がつくことはありますが)問題がなかったということです。

「事業用自動車等連絡書」が車庫証明の役割を果たします。

 



 

自家用自動車として使用する自動車であれば警察の車庫証明が必要になりますが、事業用自動車(一般貨物(特定貨物)自動車運送事業の事業計画に入っている事業用自動車)として使用する自動車は、警察の車庫証明をとる必要はありません。

 

なぜなら、事業用自動車用の車庫については、警察ではなく運輸局が一般貨物(特定貨物)の許可の要件の一つとして審査するからです。

 

なお、かつては車庫の審査をする過程の中で、管轄の運輸局からの照会に基づき、管轄の警察署による調査が行われておりましたが、現在は「特別積合せ貨物運送を行う場合のみ」運輸局は県警に意見聴取をし、警察による調査が行われることになっています。

 


中部運輸局長の行う調査の際における意見聴取に対し愛知県公安委員会が意見を提出する手続の流れ


 

中部運輸局 ➡ 意見聴取 県警の交通規制課長 ➡ 調査依頼 管轄の警察署 ➡ 回答 県警の交通規制課長 ➡ 公安委員会の意見提出の手続 中部運輸局

 


 

自動車運送事業の許可申請事案等の調査の際における意見提出等の事務処理要領

第3 意見提出の手続

1 意見提出の対象事案

(2) 特別積合せ貨物運送事業

ア 許可申請事案

イ 事業計画変更認可申請事案のうち次に掲げるもの
(ア) 営業所の新設又は位置の変更
(イ) 自動車車庫の新設又は位置の変更

2 交通保安上の調査の手続

(1) 交通保安上の調査依頼
交通規制課長は、中部運輸局長から意見聴取があった場合は、様式第1の交通保安上の調査(依頼)に中部運輸局長の照会文書の写しを添付して、路線、自動車車庫又は営業所の所在地を管轄する関係警察署長等に対し、事業の区分に応じ、次に掲げる事項の調査を依頼するものとする。

(イ) 特別積合せ貨物運送事業
a 営業区域において特に考慮を要する交通量及び交通事故発生状況
b 営業区域における交通上危険な箇所の有無
c 営業区域において特に考慮を要する交通規制の状況
d 自動車車庫(新設する場合に限る。)、営業所等の適否
e aからdまでに掲げる事項から見た総合的意見
f  公安委員会又は道路管理者において、交通安全施設の整備その他交通の安全と円滑を図るために行うべき必要な措置及びこれに要する予定期間

 


 

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